日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

ハルカトミユキを聴いた日

なんか邦楽で新しい音楽聴きたいなーと思ってapple musicを漁っていたら、超文化系なタイトル付けてる女性2人組を見つけた。

 

 これとか。

虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。

虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。

 

 

 これとか。

真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。

真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。

 

 

ふつう、こういうタイトル付けようとすると外しちゃってこっ恥ずかしいものになってしまいやすいと思うんだが、完成度高い。調べたら穂村弘と接点あるのか、納得だ。

 

音楽も、歌詞以外もちゃんとしてて恥ずかしくなく聴ける。こんな感じ。

 


ハルカトミユキ 『Stand Up, Baby』 (from 3rd AL『溜息の断面図』)

 

ググったらインタビューが出てきて、kaminogeっぽい世界*1を生きている人たちなんだとわかった。

 

「や~ だからライブで椅子投げたんですよ~!」(ミユキ)

「黙って東北行くわけでもなく、ホントにうれしそうになんか歌を歌い始めるみたいなのが気持ち悪いと思って。なんで喜んでのかなみたいな。これじゃまたどっかで地震起きたらまた嬉しそうに歌うんかなって。」(ハルカ)

「本当に社会変えたいならデモやるし、国会前いくし、だったら政治家にでもなってやるわって思うんですよ。でも、それでも歌うたってる、その理由をわかれよって。」(ハルカ)

正直な人だ。

basement-times.com

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KAMINOGE [かみのげ] vol.1

KAMINOGE [かみのげ] vol.1

 

 

*1:kaminogeというのは、ひねりのきいたプロレス雑誌で、フェイクな世の中を受けとめた上でそのリアルを表現しないでは生きられないような人は皆プロレスラーだと定義している。2014年にジェーン・スーや犬山紙子のインタビューが載っていた、と言えばその世界観がわかっていただけるだろうか。

240年目の古事記伝 第十二回 並び立つ巨神(常立神論①)

 宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじの神)に続いて、高天原に誕生するのは天之常立神(あめのとこたちの神)です。そしてその次に誕生するのが国之常立神(くにのとこたちの神)です。この二神は、ともに常立神(とこたちの神)ですが、独神(ひとりがみ)ですから、双子の神とか兄弟あるいは親子の神々であると考えることはできません*1

 しかも、この二柱の関係は、高御産巣日神(たかみむすひの神)と神産巣日神(かみむすひの神)の関係とも違っているのです。

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240年目の古事記伝 第十一回 肉体を持たないジェンダー(宇摩志阿斯訶備比古遅神論②)

天地初発の時に天之御中主神(あめのみなかぬしの神)、高御産巣日神(たかみむすひの神)、神産巣日神(かみむすひの神)の三神が誕生したのちまだ水に覆われた状態である地を、やがて生まれくる神々が住まう場所にしようという動きがはじまります

そんな、未来の神々の住まう場所が検討されはじめたばかりで、国をどこにしようかあてどなく水面を探し求めている時に、宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじの神)が誕生します。

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240年目の古事記伝 第十回 時間は天に属さない(宇摩志阿斯訶備比古遅神論①)

天地初発のとき、高天原に、天之御中主神(あめのみなかぬしの神)、高御産巣日神(たかみむすひの神)、神産巣日神(かみむすひの神)が次に次にと誕生します。ここまでが、『古事記』冒頭233文字の一段落目*1です。

二段落目からは、時が変わります。「国わかく浮ける脂のごとくして、クラゲなすただよへる時」です。「クラゲなす」とは「クラゲのように」という意味です。

*1:本稿では『古事記』冒頭部分を「段落」として整理している。「段落」の定義については次を参照いただきたい。

240年目の古事記伝 第七回 233文字の構造(産巣日神論①) - 日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

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240年目の古事記伝 第九回 世界の創造と神の主体性(産巣日神論③)

高御産巣日神(たかみむすひの神)と神産巣日神(かみむすひの神)とは、タイプの異なる産巣日神(むすひの神)です。それらは独神(ひとりがみ)であり、その働きは、全く個別に考えなければなりません。

唯一無二の存在であるはずの産巣日神(むすひの神)が一神ではないということは、一神の産巣日神(むすひの神)だけでは、いまの世界に至るには十分ではなかったことを意味します。

「高御(たかみ)」産巣日神(むすひの神)だけの世界では世界には欠けているものがあるために、「神」産巣日神(むすひの神)が誕生したのです。

 

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240年目の古事記伝 第八回 複数の太陽神(産巣日神論②)

 天之御中主神(あめのみなかぬしの神)が、特定の場所、高天原に誕生したことによって、日本以外の神話に見られるような、特定の神を頂点としたピラミッド的な秩序や、一神を中心とした放射状の曼陀羅構造ではなく、高天原に次々に誕生する神々が等しく中心の神々となるような世界が創造されていくことが決定づけられました。

天之御中主神(あめのみなかぬしの神)の次に誕生するのは、高御産巣日神(たかみむすひの神)、その次に神産巣日神(かみむすひの神)」が誕生します。この二柱は、神名の後半部分が共通しています。

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240年目の古事記伝 第七回 233文字の構造(産巣日神論①)

 ここまで、「天地初発」「天之御中主神」「高天原」と考察を進めてきました。
その結果、『古事記』の「天地初発」は、『日本書紀』の「天地開闢」や『旧約聖書』の「天地創造」とは全く異なる世界創生譚であることがあきらかになりました。

それは、天と地とが自らの意思で発(あら)われた時に、天之御中主神高天原に誕生したことによって、その後に高天原に次々に誕生する神々(=天つ神)が等しく中心の神々となるような世界が創造されるというものでした。

天之御中主神とそれに続く神々との関係は、日本以外の神話に見られるような特定の神を頂点とするピラミッド的な秩序や、一神を中心とした放射状の曼陀羅構造ではありませんでした。

そして、天之御中主神の次には、高御産巣日神(たかみむすひの神)と神産巣日神(かみむすひの神)が誕生するのですが、これらの神々の理解のためには、最初に天地初発233文字の構造を把握しておくことが必要となります。

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