日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

2008-01-01から1年間の記事一覧

『アイアンマン』は大人の映画だ

スパイダーマンシリーズのように、ぐだぐだ悩むガキんちょがヒーローなアメコミ映画にうんざりしていた小生にとって、このおっさんヒーローは意外と響きました。大人というものは、内面のフクザツさを表に出さず、単純に行動するものなんです。過去に悩まず…

『崖の上のポニョ』のソースケはなぜ両親を呼び捨てにするのか

ソースケは、母ちゃんをリサと呼び、父ちゃんをコーイチと呼ぶ。これは物議を醸すだろうなと思って映画館から帰って「ポニョ 呼び捨て」とググったら案の定あちこちで議論が始まっていた。宮崎さんはしてやったりだろうな。というのも、宮崎駿は、ソースケが…

『ダークナイト』を反転させたらビル・ゲイツの人生になった

本作はクリストファー・ノーラン監督のバットマン2作目である。だが、タイトルにバットマンが入っていない。 名は体を表すではないが、本作は別にバットマンシリーズである必要のない作品になってしまっている。 ジョーカーが主役のバットマンを喰ってしま…

『攻殻機動隊2.0』に想う機械の身体とジェンダー

本作は、1995年に公開された押井守監督の『攻殻機動隊 ーGHOST IN THE SHELLー』の一部改訂版である。一部というのは、人形使い役の声優の変更(家弓家正から榊原良子)と、音響の全面刷新、作画の一部更新である。本稿では改変部分の詳細に…

『おいしいコーヒーの真実』で知るドクターイーブルの秘密

『オースティン・パワーズ』が好きなんである。サイケでキッチュな60年代ファッションに身を包んだ登場人物が、007をはじめとしたスパイ映画へのオマージュなストーリーをおバカな台詞で構成するとてもよくできたコメディで、結局DVD-BOXまで買ってしまった…