日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

オムレツをホテルのように作る裏技

ホテルの朝食に出てくるオムレツって幸せな気分になりますよね。反対に、家で作って失敗すると焦げて悲しくなってしまいます。材料なんて、卵と少量のミルクと塩と胡椒だけの簡単な料理なのに、どうしてもホテルのように作るのは難しい。 でも裏技があります…

日本最古で最高のフランスパン

■関口フランスパンが最高 僕はパン屋を開拓するのが好きで、おいしそうなパン屋を見かけるとついついパンを買ってしまう。そして唯一無比のパンに出会うのを至上の喜びにしている。表参道のデュヌ・ラルテのクロワッサンとか、メゾン・カイザーの食パン池袋…

レアもの自慢2:『Muti Conducts 1812, Bolero, Les Preludes』

■脈絡のないアルバムなのに素晴らしい ムーティー指揮による、ラヴェルのボレロとチャイコフスキーの序曲1812年とリストの前奏曲のカップリングアルバムである。この脈絡のない寄せ集めの(とあまりクラシック音楽に造詣の深くない私には思える)CDが、実…

レアもの自慢1:『アバ・パーテル』ヨハネ・パウロ2世

このCDは、1999年に来たるべき三千年期を記念して(祈念して)バチカンが発行したもので、先代のローマ法王ヨハネパウロ2世が各地のミサで行った祈りや語りや歌に、様々な音楽をコラージュした作品集で、ワールドミュージックというかアンビエントという…

プロテインをおいしく飲むひと工夫な裏技[イチゴ味編]

前回は、ココア味のプロテインを驚きの美味さに変えるひと工夫をご紹介しましたが、今回はいちご味です。いちご味の工夫の方は、ココア味のように驚愕の美味さに変えるわけではありませんが、それでも劇的に美味くなると言えると思います。また毎回でも試せ…

プロテインをおいしく飲むひと工夫な裏技[ココア味編]

去年職場を変わって以来、なかなかたっぷりと昼の食事が取れないために、体重がダダ落ちになってしまい、とうとうジムのS(頭文字です)トレーナーにプロテインを飲むよう言われてしまった。プロテインと言えば、学生のときに飲んで、そのあまりの不味さが…

式年遷宮と原発

原発を40年で廃炉にする方向で原子炉等規制法が改正される見込みだそうだ。原発の寿命を初めて法律で定めることになる。ただし、例外として、電力事業者から運転延長の申請があり、問題がないと判断された場合に限って運転を認めることになるという。これに…

メカジキのリスク表示はタバコの警告表示並みにして欲しい

■アメリカでは政府がメカジキの摂取について勧告を出している ファミレスで和食をたのもうとメニューを見たら、メカジキのソテーが目に入ったので注文してみた。料理が来るまでに時間が結構あったので、何となくメカジキってどこで捕れるんだろうと気になっ…

嫌いだった村上春樹を読んでいる

村上春樹のことはずっと、男が都合良く女とセックスする水戸黄門的マンネリ小説だと思って嫌っていた。本当の女を書けない小説なんてとね。でも最近、村上春樹を読んでいる。僕の読み方が変わったのだ。 その昔、立花隆が東スポの政治欄を高く評価していた。…

「世界の終わり」とホープ軒

外苑前に用事があり、歩いて千駄ヶ谷の駅まで行った。途中、ホープ軒の前を通り過ぎた。そういえば、村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』では、闇の出口はこのあたりだった。さすが村上春樹は東京の土地の霊性をすごくよくわかってい…

誠実性のパラドクス

組織での仕事には「誠実性のパラドクス」とでもいう現象があると思う。仕事のプレッシャーがあまりに大きいと、目の前の仕事に誠実になるあまり、状況が見えなくなって、目標にも会社にも顧客にも不誠実なアウトプットを生み出し続けることになる。現実逃避…

『デストロイ・ヴィシャス』は未曾有の傑作だった

内田春菊と遠藤ミチロウと(『殯の森』の)河瀬直美と(攻殻機動隊のバトー)大塚明夫と鳥肌実と…が出演しているシュールでスプラッターな社会派パンク映画って何だろうと思って見たらとんでもない傑作でした。私の生涯邦画ベスト3には確実に入るでしょう。…

『キック・アス』、夢見る時代は過ぎて。

映画は、現実以上に現実を現す。特撮ヒーロー物から超現実を取り除いた本作は、痛くて苦くてキッチュでスピード感溢れる「現実」の戯画となった。 特撮に夢を見る時代は過ぎてしまったのか。そうかもしれない。 映画『キック・アス』予告編 世界を守るスーパ…

『ソーシャル・ネットワーク』は燃える集団だったのか

ちょっと前に会社の同僚と映画『ソーシャル・ネットワーク』を見に行った。とても楽しんだけれど、映画全体の感想はいろいろなところでいろいろな人が書いているので(実は私もcinemascapeに書き込んでいる*1)、最も印象に残ったエピソードについて書く。映…

『告白』と女と殺人

『告白』を見に行った。スタイリッシュで面白かった。が、この映画にテーマがあるのかないのか最後までわからなかった。以下、この映画のテーマと思われるものについて以下に語ります。映画「告白」劇場予告

帽子の法則

「帽子の法則」とは、次のようなものだ。 帽子の法則(第一の法則):人は、自然状態では、自分と同じ社会階層と認識している人に対してのみコミュニケーションを図ろうとする。 帽子の法則(第二の法則):人は、自分と同じ社会階層と認識している人のうち…

コンビニの棚もメディア

■チドウセツで産業構造は変化する最近、仕事で、チドウセツから世界が変わっていくんですよ、という話しをすると納得されることが多い。もちろん、ガリレオ・ガリレイの地動説になぞらえてはいるのだが、地球物理の話しではない。チドウセツは、知動設のこと…

たまにはNHK

「NHKスペシャル」を見てみた。twitterで番組の感想を募集と言うことだったので、いくつか投稿してみた。有名な論者の方にもリツィート頂いた。せっかくなので以下に再掲。 メディアを1インフラ(全国ネット、宅配制度、インターネット)2告知手段(番組欄…

『空気人形』を芝居小屋で見たい

なんか無性に映画が見たくなって、先週の土曜日に用事の合間に時間を作って是枝監督の空気人形を見に行った。『空気人形』予告編cinemascapeにこんなようなの書いた。 「空気人形」は、大人のおもちゃの人形が心を持ってしまうというお伽噺だ。人の目線で描…

『パンドラの匣』は指針である

誰もが知っている文学史上の作家の作品を、たとえそれが代表作ではないにしろ、原作に対峙する(いや、僕もそうだが人によってはそれ以上と感じる)レベルで映画化できたことに素直に賞賛の意を表したい。しかも太宰だ! それも時代考証をしっかりしながらも…

『ガチ☆ボーイ』は本物のプロレス者である

先週末出社したので今日は代休。TSUTAYAでDVDを借りて見た。佐藤隆太の出世作である。結構ボロボロ泣いてしまった。ガチ☆ボーイ (プレビュー)ついついツァラトゥストラはかく語りきにでてくる綱渡師のエピソードなんかを思い出して、cinemascapeにこんなよ…

『アイアンマン』は大人の映画だ

スパイダーマンシリーズのように、ぐだぐだ悩むガキんちょがヒーローなアメコミ映画にうんざりしていた小生にとって、このおっさんヒーローは意外と響きました。大人というものは、内面のフクザツさを表に出さず、単純に行動するものなんです。過去に悩まず…

『崖の上のポニョ』のソースケはなぜ両親を呼び捨てにするのか

ソースケは、母ちゃんをリサと呼び、父ちゃんをコーイチと呼ぶ。これは物議を醸すだろうなと思って映画館から帰って「ポニョ 呼び捨て」とググったら案の定あちこちで議論が始まっていた。宮崎さんはしてやったりだろうな。というのも、宮崎駿は、ソースケが…

『ダークナイト』を反転させたらビル・ゲイツの人生になった

本作はクリストファー・ノーラン監督のバットマン2作目である。だが、タイトルにバットマンが入っていない。 名は体を表すではないが、本作は別にバットマンシリーズである必要のない作品になってしまっている。 ジョーカーが主役のバットマンを喰ってしま…

『攻殻機動隊2.0』に想う機械の身体とジェンダー

本作は、1995年に公開された押井守監督の『攻殻機動隊 ーGHOST IN THE SHELLー』の一部改訂版である。一部というのは、人形使い役の声優の変更(家弓家正から榊原良子)と、音響の全面刷新、作画の一部更新である。本稿では改変部分の詳細に…

『おいしいコーヒーの真実』で知るドクターイーブルの秘密

『オースティン・パワーズ』が好きなんである。サイケでキッチュな60年代ファッションに身を包んだ登場人物が、007をはじめとしたスパイ映画へのオマージュなストーリーをおバカな台詞で構成するとてもよくできたコメディで、結局DVD-BOXまで買ってしまった…

イノベーションのジレンマと「HIAN(ハイアン)の罠」

今年もヒット商品番付が出そろいました。ところが世の中にはヒットする商品がある一方で、作り手の期待に反してヒットには至らない新製品も数多くあります。これらは「HIANの罠」にはまっていることが多いのです。今日はそういうお話しをします。 ■「H…

ポストグーグルゾンと「王妃の鏡のパラドックス」

■2008年はGooglezon誕生の年11月もあと残すところ一週間を切り、街も仕事もすっかり年末モードになってきました。来年は2008年。epic2014がGooglezon(グーグルゾン)の誕生を予言した年であります。epic2014とは(知らない人のためにいちおう書いておくと…

『私が女になった日』は素晴らしいイラン映画だった

たまに、普段なじみのない国の映画を見るのが好きだ。 こうした国の映画というのは、画面やストーリー展開が予想できないので、自分がいかに普段囚われた思考に陥っているかに気づかせてくれる。普段使わない思考や感情が動かされ、とてもリフレッシュする。…

『ラオウ伝 激闘の章』は九鬼周造である

『北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章』を家内と見た。TVアニメ版北斗の拳とは違って大人の映画との評判である。実に「いき」な映画であった。真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝激闘の章