日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』は、理想の「少年ジャンプ活劇」だった

 

 トランプだヒラリーだサンダースだと米大統領予備選に盛り上がる2016年の今のタイミングにシビルウォー。これは見なくっちゃと映画館に足を運びました。

だがしかしBUT、過度に時代性を期待すると肩すかし。同時期の『バットマンvsスーパーマン』とも似て非なるコンセプトが全く別物の作品でした。

 それに実はこの作品が、『アベンジャーズ』シリーズの第3弾ではなくて、『キャプテン・アメリカ』の第3弾なんだってことに劇場を出て家でパンフ見るまで気がつきませんでした。パンフの表紙になんでキャプテンアメリカしか出てないんだ?で気がつきました。昨今はマーベル作品が年に何作も公開されててもう何が何だかです。

 でも、アクションシーンはじめ、別な意味で大いに楽しめた映画でした。


映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』特別映像

 

以下、予告編以上のネタバレはないはずです。

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MBA4.0

とある米国在住の大学教授から何年か前にボストンで聞いた話。そろそろ忘れそうなので、備忘禄的に書いてみる。

 

ハーバード大学MBAコースでの教授間のイニシアチブの歴史というのを聞いた。雑談の中での一つのトピックだったのでどれくらい正確なのかはわからないが、勢いのある一筆書きみたいな話で興味深かった。

 

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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が浮き彫りにしたもの

★★

激賞する友人に触発され、さあ乗るぞと勇んで鑑賞したもののイマイチ乗れなかった理由は、この映画が、行って途中で思い直して折り返すというめずらしい構造を持ったロードムービーだったからかもしれないなと。(以下ネタバレあり)


映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』予告1【HD】2015年6月20日公開

 

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『百円の恋』は映画的というより演劇的か

 『百円の恋』を見に行った。凄く凄く見たくてようやく映画館にたどりついた感じ。

 ボクサー役の役作りできっちり絞った肉体に仕上げ、それをボクサーになる前の弛緩した身体作りのためにクランクイン前に10kg以上増量し、撮影の10日間で10キロ以上減量して試合シーンに臨んだっていう役者バカをぜひスクリーンで見たかった。


『百円の恋』予告編

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ゲイと日本とLGBT

このごろLGBTっていう言葉をたまに耳にするようになったわね。L・G・B・T。

レズビアン・ゲイ・バイセクシャルトランスジェンダーのことよ。

要は性的マイノリティーのことをもっとよくわかってね、ってこと。

 

最近ではジョブスのあとにAppleのCEOになったティム・クックが、私はゲイよ、ってカミングアウトしてアメリカで大ニュースになったと聞いたわ。ニューヨークタイムズ紙は、カミングアウトの翌日に、1面とビジネス面で大特集を組んだそうよ。

 

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鉄斎とシニアライフ

出光美術館に鉄斎展に行ってきた。

それぞれの絵の画風に、著しく違いがあるのに驚いた。展示コーナーをジグザグに移動して、年代別に画風を追った。

 

84歳から85歳にかけて何があったのだろう。その後、字体も変わっている。私ごときが論評などおこがましいが、それでも感じたままを書くと、鉄斎の30代は才能が走りすぎる。40代は説教臭くて見ていて反発をおぼえる。50代は才能に磨きをかける鍛錬が絵から滲みていて頭が下がる、60代で何かをつかんだかのよう(ただすきがある)。70代は(おこがましいが)あたりはずれがあり、80代に入っていったん気が落ち込んだように見える。84歳後半から神の領域。

 

サラリーマンをしていると60歳は定年で、その後の人生は余生だと考えてしまうけれど、これはとんでもない思い違いなのかもしれない。

絵からのみ見る限り、鉄斎の場合60歳までは助走でしかない。レベルの差はあれ人間だれしもそのように生きられると考えると、第二の人生こそ本番の人生なのかもしれない。

 

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