日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

『アントマン&ワスプ』、蜂女は姐さん女房

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でついにこれまでの10年(2019年の今の時点では11年)のMCUの歴史の終結のカウントダウンが始まるわけだが、インフィニティ・ウォーについては既に書いてしまった(『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』はポップコーンムービーの良作 - 日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ))ので次に行きます。

ちなみに、本作の次のキャプテン・マーベルについても書いてしまっている(『キャプテン・マーベル』は能力社会をチキンレースから解放する処方箋だ - 日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ))のでこちらも読んでもらえると嬉しいです。


アントマン新作映画「アントマン&ワスプ」の予告編が公開

17.マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)
18.ブラックパンサー(2018)
19.アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー (2018)
20.アントマン&ワスプ (2018)
21.キャプテン・マーベル (2019)
22.アベンジャーズエンドゲーム(2019)

 

<ネタバレ無しです。大丈夫!>

アントマン(蟻男)のパートナーはスズメバチwasp)。古今東西、蜂は女性のイメージなんですね。最初WASP(White Anglo-Saxon Protestant)のことかと思った(笑)。

 

前作『アントマン』で、パートナーと非常にいい関係になってたはずなのに、冒頭大変ギクシャクしていてとまどいます。

 

本作、『アントマン』の続編ではなく、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の物語の続きだったのです。これは不親切! MCUは全部観てますが、ストーリーの前後関係は良く覚えていない。『アントマン』しか見ていなくても違和感ないように冒頭にシビルウォーのダイジェスト入れとくべきだったんじゃないかなと思います。

 

もっと言ってしまえば、理系コメディーが持ち味の『アントマン』と1作ごとに作風を変えつつも真面目さが持ち味の『キャプテン・アメリカ』は食い合わせが悪い。冒頭から映画に入り込めないのは失敗なんじゃないかな。プロレスで言えば第1試合で客が混乱するようなもの。残念です。

 

それを除けば、相変わらずの緩急のあるいいテンポと魅力的なキャラクターたちで、『アントマン』2作目として期待は裏切らない出来とは言えます。ただし、新しい提案はなかったように思えます。せっかく養子のゴーストを出してきたのに物語として深みが出るには至らないし。

スコットの娘の活躍とか、ミシェル・ファイファーの復活とか、姐さん女房的というか逆夫唱婦随なワスプとアントマンの関係とか、いい要素もたくさんあるのに掘り下げが足りないような。アベンジャーズの大作2作の谷間に埋没してしまいそうです。

 

アントマン&ワスプ (字幕版)