『ゴースト・イン・ザ・シェル』に見るアイデンティティクライシスの日米差
★★★
士郎正宗の原作漫画『攻殻機動隊』(以下、士郎攻殻と略す)ではなく、押井守監督の映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(以下、押井攻殻と略す)の実写化である本作品は、主人公たる少佐の苦悩を押井攻殻とは別のものに変えてきた。その苦悩は、同時期に公開された『ブレードランナー2049』の主人公レプリカントKの苦悩と同期する。
この改変によって、本作は過去のどの攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELLの焼き直しでもない全く新しい攻殻機動隊『ゴースト・イン・ザ・シェル』になったのだが、この「苦悩」の換骨奪胎は、アメリカ映画が、ファッションとして以上には『攻殻機動隊』を自らのものとして取り込むことはできないという信仰告白になっている。日本的なゴーストは、ハリウッド的なゴーストに融合できなかったのだ。(以下、ネタバレほぼなし)
続きを読む『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』はFacebook社の秘密でもある
★★★★
52歳から世界企業を起業した男(=マクドナルド創業者)の物語を知りたいなと思っていたところにAmazonプライムで本作を見つけました。見る前には予想だにしなかったとても面白いことに気づいてしまったので、ちょっと書いておこうと思います。それはマクドナルドとFacebookとの意外な一致点です。(以下ネタバレあり)
続きを読むアンチ・ディズニーランド派は『エスケイプ・フロム・トゥモロー』で溜飲を下げるか
ディズニーが自前の配信サービスをはじめるために、netflixからディズニー作品を引き上げるのだという(ディズニーは「自分のNetflix」をつくる。ほかのスタジオもそれに続くかもしれない|WIRED.jp)。
ということで、netflixからディズニー作品がどんどん消えて行っている昨今ですが、逆にアンチ・ディズニーランド映画がnetflix配信されてます。
家族のために気乗りのしないディズニーランドにやってきたおっさんが、妻と子供だけでなく自分の妄想にも翻弄される。その妄想が虚実の皮膜を突き破って襲いかかってきたら…。という内容の映画なんですが、
まあ、こうなるわな。
てな結末で、これは意趣返しになったのかな。
テイストがアメリカン・ニューシネマだった『LOGAN ローガン』
★★★
テイストがアメリカン・ニューシネマな感じで驚いた。今のアメリカはベトナム戦争敗北時と似た精神状況に置かれているのだろうか。
映画「LOGAN/ローガン」インターナショナル版予告(字幕版)