日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

『ワンダーウーマン』に国際プロレス軍団の哀しみを見た

非常に前評判の高かったワンダーウーマンを見に行きました。ワンダーウーマンは、スーパーマンバットマンと同じDCコミックスのヒロインです。


映画『ワンダーウーマン』本予告【HD】2017年8月25日(金)公開

 

同じアメコミでもアイアンマンやスパイダーマンX-men超人ハルクなどヒットしているのはライバルのマーベスコミックスのヒーローものばかり。DC映画作品は、マーベル映画作品と興行的に大差をつけられてしまっています。
だからなのか、この映画にはテーマと関係のない哀愁や混乱、影のようなものがまとわりついているように感じられました。
まるで、国際プロレス軍団のようなんです(超古いたとえですみません)。その昔、アントニオ猪木率いる新日本プロレスが金曜夜のお茶の間を独占し大ブームを引き起こしていた頃、力道山門下の正統な系譜にありながら人気が低迷して解散し軍団として新日本プロレスのリングに悪役として登場することになったのが国際プロレス軍団です。

ワンダーウーマンの奮闘がストロング小林にダブるんです。

悪の根元はドイツじゃなくて英国紳士、とか、どちらか一方を悪と思い込む正義がやっているのは敵と変わらないただの殺戮、だとか、盛り込まれた要素は結構いいんだけど、見終わって一番印象に残ったのは全体を彩るペーソスなトーンだけなんですよ。この映画、突き抜けてない!

トンマナが『マン・オブ・スティール』と同じなのは、ジャスティスリーグへ展開させていくには正しい手法なんだろうけど、単体映画としての潔さが足りないんです。作家性が足りないんだよ。

マーベル映画でのブライアン・シンガーの『X-men』シリーズとかジェームズ・ガンの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズみたいに、監督の作家性がアメコミの枠を凌駕しているような作品であってほしかった。
DCにはティム・バートンの『バットマン』シリーズという偉大なる先行事例があるんだしね。WW2じゃなくて、第一次世界大戦なんだっていう舞台設定は抜群なんだから。

p.s.バットマンラッシャー木村ですな。国際、新日、初代UWFから全日と舞台と役割が変わりまくる愛されキャラ。スーパーマンは阿修羅原でしょうね。

 

 


第5回~アントニオ猪木vsストロング小林~「柴田惣一のプロレス名勝負数え歌10分1本勝負」