日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

『パンドラの匣』は指針である

誰もが知っている文学史上の作家の作品を、たとえそれが代表作ではないにしろ、原作に対峙する(いや、僕もそうだが人によってはそれ以上と感じる)レベルで映画化できたことに素直に賞賛の意を表したい。しかも太宰だ! 

それも時代考証をしっかりしながらも、ちゃんと現在の作品として成立している。ラストの翻案もまたよし。役者、音響、美術、音楽、カメラ、すべてに不満無し。セルフパロディでもなく、オマージュでもなく、ギデンス的な再帰的ニッポンでもない「日本」のあり方を、僕はこの映画を通して教えられた。ありがとう。


映画『パンドラの匣』予告篇

 

パンドラの匣

パンドラの匣

 
パンドラの匣 (新潮文庫)

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