日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

『カメラを止めるな!』は事前情報を極力排して観るべき

 春にシネマトゥデイの記事でを知り、上映を楽しみにしていたのに、ずるずると鑑賞のタイミングを逃してしまった『カメラを止めるな!』を観てきました。

www.cinematoday.jp

 

 その間、どんどん評判が高まっていたのは知っていたので、公開期間も延びるだろうとたかをくくっていたのがいけなかった。旬が突然終わってしまった。ご存じ『FLASH』報道である。

 

 あ、もし『FLASH』報道を知らなかったら、この先は読まないで映画館に行って欲しい。幸せな映画鑑賞ができます。『カメラを止めるな!』お一人様にもカップルにも夫婦にもオススメです。

 

以下、『FLASH』報道を知らない方はお避けください。また、ネタバレありです。

  写真週刊誌『FLASH』に「『カメラを止めるな!』はパクリだ!原作者が怒りの告発」という記事*1が出てしまったのだ。鑑賞前なので記事は読まないようにしていたのだが、ネット時代の弊害でどうしても中身がわかってしまう。

 

 幸い見出しの文句は釣り気味であることが同誌以外の後追い報道などでわかり、解散してしまった元劇団の座長はパクリという言葉は使っていなかったことは確認できた*2。だが、元ネタが演劇という情報は決定的だった。演劇好きの私の場合、どうしてもそういう目で見てしまう。

 

 舞台が原作(原案)という事前情報を知ってしまっているので、第一幕は、いかにも舞台的だなあ、これは確かに舞台でも見たかったな、劇団解散して残念だったな、という思いを抱きつつスクリーンは第二幕へ。バラエティの再現ドラマ風の映像に、急速に期待感がしぼみつつも、メイキング風映像での答え合わせはよくできていて、笑ってしまう。うん、いいぞ。映画ならではのシーンになってる。なーんて思っているうちに夢中になってきた。よかった、面白くなってきた。

 

 ただ、監督の娘が完璧主義者として登場してきた瞬間に、この人が何とかするんだろうなあとわかってしまって予定調和感から抜け出せなかったのも事実ではある。 それに、階段シーンでカメラが主人公(秋山ゆずき)のお尻ばっかり追いかけていた謎は回収されず。だってカメラマンは女だったぜ。あとエンドクレジット映像が組み体操からハンディで撮ったとは思われなかったブレなさぶりにもちょっと萎えたかな。

 やっぱり映画は公開直後に観に行かないとダメなんだなと痛感しました。

 

 訴えた人、劇団再結成してもう一度舞台に挑戦して欲しいですね。それでノーサイドになったら最高なんだけどな。