日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

鉄斎とシニアライフ

出光美術館に鉄斎展に行ってきた。

それぞれの絵の画風に、著しく違いがあるのに驚いた。展示コーナーをジグザグに移動して、年代別に画風を追った。

 

84歳から85歳にかけて何があったのだろう。その後、字体も変わっている。私ごときが論評などおこがましいが、それでも感じたままを書くと、鉄斎の30代は才能が走りすぎる。40代は説教臭くて見ていて反発をおぼえる。50代は才能に磨きをかける鍛錬が絵から滲みていて頭が下がる、60代で何かをつかんだかのよう(ただすきがある)。70代は(おこがましいが)あたりはずれがあり、80代に入っていったん気が落ち込んだように見える。84歳後半から神の領域。

 

サラリーマンをしていると60歳は定年で、その後の人生は余生だと考えてしまうけれど、これはとんでもない思い違いなのかもしれない。

絵からのみ見る限り、鉄斎の場合60歳までは助走でしかない。レベルの差はあれ人間だれしもそのように生きられると考えると、第二の人生こそ本番の人生なのかもしれない。

 

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