グールドのモーツァルト
音楽というのは難しい。大学生の時、バイオリンを弾く女性の友達がいたのだが、僕の音楽の趣味のせいで友達関係を失ったことがある。
僕はパッヘルベルのカノンが好きで、中でも一番好きな演奏はイ・ムジチの1982年の録音のやつで、彼女にCDを貸したらテンポが速くて演奏が間違ってると言うんだな。僕は楽器をやらないので、気持ちよく聞ける演奏が僕にとっての最高の演奏なのだけれど、オーケストラに入っている彼女にとっては、楽譜に書いていない演奏は、音楽に対する許し難い冒涜なのだそうだ。
今日、クルマを流していたらNHK-FMで、僕の嫌いなモーツァルトがとっても素敵な演奏で流れてきたので誰だろうと思ったらグールドだった。そういえば彼女はアシュケナージが好きだったな。グールドは、モーツァルトが嫌いだった。嫌いな作曲家の曲を、嘲笑し愚弄するように自分の才能を全開にして弾く。こういう演奏を諧謔というのだと思う。選択の自由が同質結合を強め、世知辛くなった最近の世の中に必要なのはこういう諧謔だと思うんだけどどうだろう。
嫌いな奴と組んで大向こうをうならせるようなのが好きだ。音楽もスポーツも政治も仕事でも。
Pachelbel : Canon / Mozart : Eine kleine Nachtmusik / Albinoni / Adagio
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