日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

ドラキュラは片頭痛持ち?

片頭痛という疾病がある。私自身ここ十数年間悩まされているのだが、かのドラキュラ伯爵は、実は片頭痛持ちの男がモデルだったのではないかと疑っている。ドラキュラに対する世の中の共通的なイメージは、1.日光を嫌い夜に活動する。2.十字架が嫌い。3.ニンニクが嫌い。4.若い美女の生き血をすする。5.一人で住んでいる紳士。というところだと思うが、これらの特徴は、片頭痛とも関係があるように思えるからだ。


片頭痛は頭痛じゃない!?
片頭痛というのは、頭痛の一種のように思われているが、片頭痛持ちの私から言わせれば、片頭痛と頭痛は全くべつの疾病である。痛さが100倍くらい違う。ひどい片頭痛で痛みのあまり失神したことさえあるのだ。
実際、英語では頭痛はヘッドエイク( a headache )であるのに対して、片頭痛はマイグレイン( a migraine )という。片頭痛はなんとかヘッドエイクとは呼ばれず、英語圏では頭痛と片頭痛とは別の疾病としてきちんと認識されているようだ。

■ドラキュラの特徴はすべて片頭痛で説明がつく
片頭痛の特徴として、予兆としての幻覚(私は経験したことがない)、頭痛とは比べられないほどの痛み、付帯症状としての吐き気、光過敏、音声過敏、匂い過敏(のどれかまたは複数)がある。

ドラキュラの第一の特徴である日光嫌いとは光過敏の症状に違いない。十字架嫌いも、十字架そのものではなく、金属がキラッと光ることを嫌がるのだと考えれば光過敏で説明がつく。

ニンニク嫌いは匂い過敏だろう。

若い美女の生き血をすする特徴は、恐らく生命の危機を感じると性欲が高まるという生物の本能のあらわれだと思われる。実際、片頭痛の初期症状が出たらオナニーをすると改善するという体験記事をどこかで読んだことがある。

また一人で住んでいる紳士というところだが、片頭痛片頭痛になったことのない人からは理解しがたい疾病のようで、私自身も家内からあまりの苦しみようにこのヒトはおかしいのではないかと思い一度ならず離婚を考えたことがあったと、最近聞かされた。本当に離婚されてしまえば、残されたのは一人で住んでいる紳士ということになる。まあ、紳士かどうかはわからないが。

片頭痛の特効薬
そんな、世間から理解されづらい片頭痛持ちだが、特効薬を知って救われた。最初は脳神経外科で処方されたのだが、その脳神経外科が閉鎖となり、近所の内科に相談したら普通に処方してくれた。イミグランとかマクサルトとかレルパックスとかゾーミックとかアマージとか言う商品名のトリプタン系製剤と言われる薬である。トリプタン「系」と言われるだけに、それぞれ微妙に化学式が違う薬であり、効き方の相性に個人差がある。5種類しかないので、順番に処方してもらって、ビンゴが出たらそれを愛用薬にするといい。最初にかかった脳神経外科の先生自身が片頭痛持ちで、実際にそう言われ僕も順番に処方してもらった。薬学の進化万歳である。

片頭痛は、ドラキュラをはじめ、日本でも芥川龍之介が小説のテーマにするなど、文学芸術に貢献していると言えなくもないが、死ぬほどの苦しみを芸術に昇華できない僕らにとっては、痛みなどない方がいいに決まっている。芥川だって自殺しちゃったんだしね。


ドラキュラの原作は文庫で手に入る

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)

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芥川龍之介片頭痛持ちで、片頭痛をテーマにした小説が遺作となった

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

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かのフランシスフォードコッポラもドラキュラの映画を制作している


ドラキュラ映画の定番といえばこれ

吸血鬼ドラキュラ [DVD]

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