日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

ロングロウ


私が最も好きなお酒は、シングルモルトウイスキーのロングロウである。そのロングロウの10年と100プルーフが生産中止なのだそうだ。残念な限りである。


私は、シングルモルトの中でも、マッカランとかボウモアのようなほわっとした上品なものは好みでなく、シャープな感じなものが好きだ。ひたすら明るいスプリングバンクグレンフィディック、スモーキーなラガヴーリンアードベッグが私の中の定番である。その中でも最も好きなのが、シェリー樽フィニッシュのロングロウだ。


ロングロウはキャンベルタウンにあるスプリングバンク蒸留所で製造されている。キャンベルタウンという町が歴史の洗礼を受けているせいか、このロングロウ、ひとくち口に含んだ瞬間にイギリスの古びた港町の歴史が脳裏にフラッシュバックするような衝撃を受ける。ロングロウがキャンベルタウン製だと知る前の始めて口にしたときにそう思ったのだから、ある種のお酒は、ある種の絵画のように時空を閉じ込める芸術なのだろう。ピートの燃焼時間が55時間と全モルト中最も長いせいかもしれない。10年シェリーウッドは46度、100プルーフは57度である。最近はオーク樽で熟成されたものの方が多く出回っているが、シェリー樽熟成のものの方が、深みを感じる。


ロングロウはマイナーなレーベルの悲哀なのか、いろいろな瓶に詰められて売られているが、私が愛するのはこの細長い瓶である。