日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

ビーツを赤カブで代用させなくても美味いボルシチがすぐできちゃう裏技

ボルシチはうまい。でも家で作るには敷居が高い。ビーツが手に入らないからだ。でも、ビーフシチューをつくる要領で限りなく美味いボルシチっぽいシチューを作ることは可能だ。もちろんルーは使わない。赤カブさえ使わない。

では4人前いってみよう。4人分ということではなく2人で2食分残りは作り置きということにしてもいい。


■裏技1.赤カブを使わない
鍋で、ニンニクを一片、適当にスライスして炒める。油は特売のオリーブオイルがお薦め。高いオリーブオイルだと、油が軽く、肉や野菜の上に来てしまって鍋が焦げてしまう。ここではボスコが最適だ。タマネギ大一個を縦に4等分、横に3つに切って入れる。ニンジン中一本を適当に三角のブロック状に切って入れる。タマネギがばらけるくらいに軽く炒める。赤カブは使わない。


ボルシチのメインの具といえばビーツだ。近所の八百屋ではあんまり売ってない。で、どうもビーツは赤カブに似ているらしいので、赤カブを代用にするように書いてあるボルシチのレシピもあるようだが、これは無視する。なぜなら、ビーツと赤カブとは生物分類学上は他人の空似だからだ。ヤモリとイモリみたいなもんだ。偽物を使うくらいなら思い切ってビーツなしのボルシチにする。ロシア人は怒るかもしれないが、我々は日本人だ。北方領土がなくても我慢しているんだ。ビーツがなくても我慢しよう。北方領土もビーツもあれば真の友好関係が築けることはわかっている。お互いに過ちを認識しよう。ロシア人が怒ってきたらそう言ってハグしよう。


■裏技2.冷凍スライス肉を使う
タマネギとニンジンに軽く火が通ったら、冷凍の牛肉スライスを500gぶち込んで塩胡椒で炒める。牛肉はあえて冷凍スライス肉を使う。普段生協さんとかにお世話になっているなら注文しておこう。もちろん、冷凍肉がなかったら普通の牛肉でよい。ただし米国とかのトウモロコシ飼料で育てられた柔らかい肉は避ける。オージービーフなら草食牛肉も手に入りやすいはずだ。ロシア料理に米国の肉は合わない。洒落じゃない。本当だ。嘘だと思ったら作ってみるとよい。絶対に失敗する。米国の肉はマクドナルドにまかせよう。牧草で育てられた牛肉は固くて臭いが、それがなぜかボルシチだといい塩梅になる。薄ーく切ってあれば固くても関係ない。牛肉は本来臭いものだ。この臭さが美味さに変わるのが、ボルシチの凄みでもある。
硬い肉は苦手な方は、炒めたあと白ワイン(シャルドネがお薦め。500円くらいの安いのでよい)を振りかけて軽く煮てみるとよい。シャルドネの酸が肉を軟らかくする。後でまた赤ワインで煮るので、超柔らかくなる。


■裏技3.クミンシードをふんだんにかける
肉を炒めるときにクミンシードを振りかける。ロシアのボルシチはクミンを使わないのが一般的だが、家庭や地方によってはクミンを使う。個人的な好みで恐縮だが、クミン入りの方が断然うまい。クミンは挽いてあるものでもよいが、クミンシードの方が雰囲気が出る。S&Bでもマコーミックでもどこのでもよい。最近は普通のスーパーで売っている。10振りぐらいふりかける。これによって臭い牛肉が美味さに変わる。あればパプリカもふりかけて色を赤くしておく。


■裏技4.安い赤ワインで煮る
牛肉が煮汁が出るくらいに火が通ったら、安い赤ワイン(カベルネ・ソーヴィニヨンがお薦め)をドボドボと注いで煮る。赤ワインは必ず一本5,6百円の安いものにする。高くても9百円まで。安い赤ワインは酸っぱいのでボルシチっぽく仕上がる。高い赤ワインは渋みとコクがあるのでビーフシチューになってしまう。あと絶対に料理用赤ワインは使わない。あれは甘い。料理がぶちこわしだ。いったいどんな料理に使うというんだ?


で、アルコールがほぼ飛んだかな、というくらいに煮えたらトマトジュースを二缶入れる。塩なしタイプに限る。しばらく煮るとトマトジュースのクエン酸が飛んで美味しくなる。オリーブオイルが足りないと温度が足りずクエン酸がうまく分解されない。このあたりは経験でどんどん加減が上手くなると思う。イタリアントマト缶1缶とトマトジュース1缶にしてもよい。


■裏技5.ジャガイモとキャベツはあとから入れる
トマトジュースの酸味が落ち着いてきたタイミングで、ジャガイモを入れる。カレーのような切り方でよい。ジャガイモはあんまり早く入れてしまうと煮崩れてしまう。そうなるとボルシチっぽさが演出できない。それと、キャベツもこのタイミングで入れる。キャベツは外側の葉っぱ3枚くらいを4平方センチくらいに切って入れる。芯の部分は縦に包丁を入れると気にならない。このとき香り付けにローレルの葉を一枚入れてもよい。


塩や水は適宜足して、味を調えておこう。これでジャガイモが赤く色がつくくらいまで煮えれば食べ頃だ。これで信じられないくらい美味いボルシチ風シチューができる。全部で20分くらいでできてしまう。ぜひ試して欲しい。