レアもの自慢1:『アバ・パーテル』ヨハネ・パウロ2世

このCDは、1999年に来たるべき三千年期を記念して(祈念して)バチカンが発行したもので、先代のローマ法王ヨハネパウロ2世が各地のミサで行った祈りや語りや歌に、様々な音楽をコラージュした作品集で、ワールドミュージックというかアンビエントというか非常に味わい深い作品になっている。


私自身はキリスト者ではないのだが、目白というカソリックの結界の中央ともいえるような場所で幼少期を送ったせいか(※)、カソリック的な文化につい郷愁のような感じを抱いてしまう。プロテスタントの教会で歌われる賛美歌やゴスペルのような、強制的にトランスを引き起こそうというような感じの教会音楽はすごく苦手なのだが、このアルバムは非常にゆるい感じでここちよい(教義自体はプロテスタントの方が理解できるのですが、関西人は苦手だけど料理は関西風が好き、みたいな)。家内などは、風呂屋でのオヤジの鼻歌のようだなどと言っている。


ヨハネパウロ2世の肉声はラテン語ありイタリア語ありフランス語ありスペイン語ありとバラエティに富んでおり、まるでタモリの四カ国語麻雀(古いたとえですみません)をYMO散会直後の細野さんがSKETCH SHOW以降の細野さんと組んで、教会に奉納するために編集したような、ありがたくもポップでアコースティックかつテクノなアルバムなのである。細野さんの音楽が好きなら、きっと癒されるのではないだろうか。


アバ・パーテル

アバ・パーテル


ちなみに、アバ・パーテルは、ABBA PATERと書く。アバはアラム語でパパ、PATERはペテロ即ちローマ法王の元祖のことで(ローマ教皇はペテロの後継者という位置づけである)、訳すとすれば「父なる法王様」といった感じでしょうか。ミレニアム記念なので、西暦2999年まで後継アルバムの出ないレア盤です。


※山手通りの方から歩いてきて、聖母病院から関口フランスパンを越えたあたりまで目白通りに沿って歩いてみると、わかる人にはわかるのではないかと思います。別にスピリチュアルな意味ではなく、都市探訪というか『アースダイバー』的な意味で。