日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

グールドのモーツァルト

音楽というのは難しい。大学生の時、バイオリンを弾く女性の友達がいたのだが、僕の音楽の趣味のせいで友達関係を失ったことがある。 僕はパッヘルベルのカノンが好きで、中でも一番好きな演奏はイ・ムジチの1982年の録音のやつで、彼女にCDを貸したらテンポ…

クストリッツァの『アリゾナ・ドリーム』を他山の石に生きる

私の大好きな映画監督の一人、エミール・クストリッツァが、フェィ・ダナウェイとジョニー・デップを主演に撮った映画が『アリゾナ・ドリーム』である。 もう20年も前の映画だが、私が人生の他山の石としている作品である。ストーリーはこんな感じ。Arizona …

『君を呼んだのに』RCサクセション

不覚にも今朝、通勤途中ビルの谷間を会社へ歩いているとき、この曲の歌詞の意味を理解した、と思った。30年前の曲である。実に30年もこの曲の歌詞がひっかかっていたのだ。 「君を呼んだのに」 バイクを飛ばしてもどこへも帰れない バイクを飛ばしても帰りつ…

『特権的肉体論』唐十郎

肉体に依らない疲れが肉体に霞のように残るとき、芝居が見たくなる。とはいっても、会社帰りに都合よく芝居がやっているわけはないし、映画では代替にならぬ。そんなとき、酒を飲みながら本棚の唐十郎の本に手を伸ばす。 『特権的肉体論』ーー。 昔、吉本隆…

「真珠の耳飾りの少女」見てきました

東京都美術館に「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」(http://www.asahi.com/mauritshuis2012/)を見に行った。目玉展示はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」(1666年?)である。 ■実物から受ける印象は下の絵とは全く違う 実は…

ありがとう『今日の中吊り』

8月が終わり、いろいろな終わりがあった。ブログで書けないような終わりもあり、そうでない終わりもあり。今年の8月31日は、例年になく終わりを感じさせる日であった。 『岳』も最終刊が出たしね。最近漫画雑誌を買う習慣がなくなってしまったので(いい歳…

『ダークナイト ライジング』に足りぬ奇矯なる者への愛

クリストファー・ノーランのバットマン三部作の最終章『ダークナイト ライジング』を見てきました。『バットマン』(1989年)と『バットマン・リターンズ』(1992年)が好きな小生としては、クリストファー・ノーラン版のバットマンにはいまいち乗れずに三作目を…

鯖街道の熊川宿に行った

こういう景色を体感してしまうと、東京に戻るのが辛くなる。 ■熊川宿から見た風景 鯖街道とは、鯖をはじめとした多くの海産物や物資が運ばれた京都への道のことで、小浜には「京は遠ても十八里」という言葉があるそうだ。

若狭姫神社・若狭彦神社

神社で写真を撮ると、このように柔らかい光がとても綺麗に写り込むことがあります。神社の向きは方角が決まっていて、逆光+木漏れ日になるからでしょうね。 ■若狭姫神社 ■若狭彦神社 若狭姫神社と若狭彦神社とは二社一体で若狭国一之宮になります。若狭姫と…

御神島

常神半島の民宿では、御神島への舟を出してもらえる。御神島は福井県最大の無人島でとてもワイルドな海水浴が楽しめる。 ■舟から見た御神島 ■プールでは一キロ泳ぐ長男も海は勝手が違うようで浮き輪着用。でもこのあとちゃんと浮き輪無しでブイまで泳ぎきり…

常神半島

帰省がてら嶺南に足をのばす。越の国から大和への移動である。空を舞う何組ものつがいのトンビに導かれて常神半島へ。 ■常神半島に向かうレインボーラインでは野生の鹿がお出迎え ■野生のサルまで ■動物たちをびっくりさせないようにゆっくり走っていたら日…

帰省

母方の爺ちゃんの一周忌と婆ちゃんの米寿を祝いに家族で福井に帰省した。 ■20年来の愛車E36とまずは父方の墓参り ■米寿を迎えた婆ちゃんと母の実家の農舎の前で。まだまだ元気でほっとする。

武蔵と小次郎の史実は厳しい(今年は巌流島決闘400周年)

■佐々木小次郎は福井の英雄 福井出身の一番の有名人と言えば佐々木小次郎かもしれない。そう、あの宮本武蔵と巌流島で闘った佐々木小次郎である。 武蔵の弟子達が語った内容を当時の二天一流兵法師範豊田景英がまとめた『二天記』によれば、佐々木小次郎は、…

日本のレイライン

七月のお盆(最近は八月の方が多数派ですが)よりちょっと遅れて、今週の後半は、お墓参りに家族で帰省の予定です。田舎は越前なのですが、子供の夏休みの自由研究も兼ねて大飯原発のある若狭・敦賀の方にも足を伸ばしてくるつもりです。 福井県は歴史的に、…

プロテインをおいしく飲むひと工夫な裏技[いちごチョコ味編]

■イチゴ味プロティンにバンホーテンでもいける! プロテインをおいしく飲むひと工夫として、これまでに、ココア味(2012-06-07)とイチゴ味(2012-06-08)について紹介してきたが、イチゴ味にココア味をおいしく飲む裏技であるバンホーテンを混ぜてみたら、…

ルネ・マグリットのシューズ

私は、五本指のソックスは嫌いだが、五本指のシューズはたまらなく履いてみたい。最近は、五本指のソックスをはいている人は、ぱらぱらと見かけるようになったが、五本指のシューズを実際に履いてトレーニングしている人には、いまだかつてお見かけしたこと…

フェルツマンのバッハ

私にとってグレン・グールドのバッハは、大脳をニュートラルに戻す整体の役割を果たしているのに対して、想像上の彼岸への旅を可能にしてくれるのが、ウラジーミル・フェルツマンの弾くバッハである。理知的なグールドに対して、叙情的なフェルツマン。共通…

レアもの自慢6:『水牛楽団』高橋悠治、他

■高橋悠治氏といえばエリック・サティだが… 高橋悠治というピアニストを知っている人には別にレアものではないだろうし、知らない人にはレアもの自慢しようがない。『水牛楽団』はそういう作品である。 高橋悠治のピアニストとしての代表作は、一連のエリッ…

ドラキュラは片頭痛持ち?

片頭痛という疾病がある。私自身ここ十数年間悩まされているのだが、かのドラキュラ伯爵は、実は片頭痛持ちの男がモデルだったのではないかと疑っている。ドラキュラに対する世の中の共通的なイメージは、1.日光を嫌い夜に活動する。2.十字架が嫌い。3…

教養

私には会うと必ずといっていいほど口論ないしは討論になってしまうほど、ほとんどのことについて意見の食い違う大学来のありがたい友人がいる。ありがたいというのは皮肉ではなく、主義信条は友情を左右しないということを教えてくれる文字通り有り難い存在…

ロングロウ

私が最も好きなお酒は、シングルモルトウイスキーのロングロウである。そのロングロウの10年と100プルーフが生産中止なのだそうだ。残念な限りである。 私は、シングルモルトの中でも、マッカランとかボウモアのようなほわっとした上品なものは好みでなく、…

花酒

お酒は結構好きな方である。ただ、弱い酒に弱いのである。サワーはまず飲まない。ワインも相当身体の調子がよいときしか飲めない。ビールで晩酌など考えたこともない。 では、何を飲むか。シングルモルトは結構好きだ。日本のお酒では、あまり量は飲めないが…

大仏と原発

去年Facebookに書いたネタですが、Blogには書いていなかったのであらためて。 ■大仏と原発は似ている 原発54基。このうち大飯原発3号機が7月1日に再稼働した(送電開始は7月5日)。私は去年、「大仏」と「原発」は似ていると感じ、秋にその感覚を確かめに奈…

すぐにあの有名カフェで出てくるような美味しいスパゲティミートソースができる裏技

今日も、インチキ臭いタイトルで自信を持ってお薦めするお父さんの手料理コーナーをお届けします。^^;;「あのカフェ」というのは代官山あたりの、カフェなのに料理がめちゃくちゃ美味しい、でも値段も高めのあの店を想定しています。では、いってみよう。 ■…

『風邪の効用』野口晴哉

風邪を引いてしまったようだ。風邪といえば『風邪の効用』である。野口晴哉氏は最近はあまり話題に上ることのなくなった身体技法の達人の一人である。この本で野口晴哉氏は、風邪を身体の偏りを正す整体のようなもの、として積極的に評価している。万病のも…

ビーツを赤カブで代用させなくても美味いボルシチがすぐできちゃう裏技

ボルシチはうまい。でも家で作るには敷居が高い。ビーツが手に入らないからだ。でも、ビーフシチューをつくる要領で限りなく美味いボルシチっぽいシチューを作ることは可能だ。もちろんルーは使わない。赤カブさえ使わない。では4人前いってみよう。4人分…

レアもの自慢4:『KAMINOGE』東邦出版

■人生をサバイバルしている人を取り上げるプロの創るミニコミ誌 今回のレアもの自慢は雑誌『KAMINOGE』である。大きな本屋やamazonには売っているので、雑誌自体はマイナーではあるものの特にレアと言うほどのものではないのだが、創刊号から手元にあるので…

生涯最高に美味いソフトクリーム

■穫れたての旬の果物を使ったソフトクリーム 今日は暑かったのでソフトクリームを食べた。蜂蜜を使ったとても上品なソフトクリームだったが、食べているうちに去年食べた最高に美味いソフトクリームのことを思い出した。 そのソフトクリームはもちろんただの…

『年を重ねるのが楽しくなる!「スマート・エイジング」という生き方』扶桑社新書

■アンチエイジングの発想では未来がネガティブになる 一般に、加齢はネガティブな意味合いで語られる。できれば年は取りたくないものだ。こうした思いが、女性においてはアンチエイジングという若さを保つためのシニア向け化粧品や美容技術の市場を興隆させ…

レアもの自慢3:『Porgy & Bess』Oscar Peterson & Joe Pass

■オスカー・ピーターソンなのにピアノじゃない 夏である。サマータイムである。というわけで今日のレアもの自慢は『ポギーとベス』なんである(サマータイムは、もともとはガーシュウィンのオペラ『ポーギーとベス』の第一幕で歌われるアリアである)。なぜ…