日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

『アントマン&ワスプ』、蜂女は姐さん女房

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でついにこれまでの10年(2019年の今の時点では11年)のMCUの歴史の終結のカウントダウンが始まるわけだが、インフィニティ・ウォーについては既に書いてしまった(『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー…

『ブラックパンサー』とアフロアメリカンのブラウン運動

徹頭徹尾アフロアメリカンのアフロアメリカンによるアフロアメリカンのための映画なのだと鑑賞前から覚悟はしていたが、鑑賞後にその思いをいっそう強くした。 映画 ブラックパンサー 予告編 13.シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)14.ドクター・…

『マイティ・ソー/バトルロイヤル』は日本神話に通底する

『マイティ・ソー』は北欧神話に範を取った神々ものなのですが、これまでのマイティ・ソーはあまり神々っぽくはありませんでした。ところが、この3作目は、テイストを少しコメディーに振ったことで、かえって神話感が出ています。 「マイティ・ソー バトル…

『スパイダーマン/ホームカミング』は、間テクスト性で味わう

大人の鑑賞に堪える特撮ヒーローものを開拓し、それを常識化してしまったマーベル作品群ですが、少し大人に寄りすぎたという反省からか、本作は学園ヒーローものになっています。 新スパイダーマン、アイアンマンと共闘!『スパイダーマン:ホームカミング』…

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス』は格好良さに見た目は関係ないことを教えてくれる

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの2作めたる本作。この作品については何か書くより、とにかく見て欲しいという思いが先に立つ。美男美女が一人も出てこないのに、みんなかっこよくてクールで熱いんです。 映画『ガーディアンズ・オブ・ギャ…

『ドクターストレンジ』には大人にも響く台詞がある

『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』については前に書いちゃった*1んで次に行きます。 『ドクター・ストレンジ』特報 11.アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン (2015)12.アントマン (2015)13.シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)14.ドク…

『アントマン』に父親のあるべき態度を教わる

本作を『ミクロの決死圏』の翻案くらいにしか考えてなかった私ですが、なんとなんと人生の指南書と言ってもいいくらいグッとくる作品でした。 『アントマン』日本版予告編 11.アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン (2015)12.アントマン (2015)13.シビ…

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 』はトロッコ問題の解を示す

アベンジャーズ(マーベルのヒーローそろい踏み映画)の第二弾たる本作は、スカーレット・ウィッチとクイック・シルバーが登場して、ついにX-menとのクロスオーバーが実現して感涙もの。 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』予告 6.アベンジャー…

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は笑えて泣けてアクションもいい

『キャプテンアメリカ/ウインター・ソルジャー』は凄く面白かったんだが、既に書いてしまっている*1ので次に進みます。 映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』予告編 6.アベンジャーズ (2012)7.アイアンマン3 (2013)8.マイティ・ソー/ダーク・…

『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』は、ロキが素敵

『アイアンマン3』については、恋するフォーチュンクッキーだと思っている。そのことについては既に書いた*1ので、次に行く。 「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」MovieNEX予告編 本作、あんまり印象に残っていない。エンディング後のおまけ映像の方が印…

『アベンジャーズ』は大人も美味しいお子様ランチ

同じマーベルの超人満載映画『X―MEN ファイナル ディシジョン』(2006)がかなりがっかりしたのでどうなんだろうと危惧して映画館に向かったことを思い出す。 結果、心配は杞憂だった。これは大人も楽しめるお子様ランチだった。 旗は立っているし(キャ…

今マーベル作品群を見直すなら『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』は最初に見るべき

『アベンジャーズエンドゲーム』の公開前に、マーベル作品群(MCU*1)を見直すなら本作からがオススメ。 なぜなら、MCUは公開順と設定の年代順が多少異なっていて、設定上一番古いのが本作だから。ガンダムの宇宙世紀に倣って言うなら、MCU暦1943-1…

『マイティ・ソー』はアイドル映画

ヒーローそろい踏みの『アベンジャーズ』公開を前に、ソーをお披露目するために作られた本作、当時はまだそれほど知られていなかったクリス・ヘムズワースの魅力が満載で、つまりはソーのアイドル映画の趣がある。とはいえ、娯楽大作として大変手堅く手抜か…

『アイアンマン2』を見ると英語力を上げたくなる

一連のマーベル映画(MCU)の三作目にして、『アイアンマン』の続編。 今ではすっかりアベンジャーズに欠かせない俳優になったローディー(ウォーマシン)役のドン・チードルだけど、映画館に観に行ったときには、前作『アイアンマン』でのテレンス・ハワ…

『インクレディブル・ハルク』の珍味を味わう

『アベンジャーズ/エンドゲーム』が来週公開される。この作品はこれまでの作品の集大成になる訳だけど、さすがに10年もの蓄積があると前の方の映画は内容を忘れちゃってる。ということで、一気振り返り。一作目はもう書いた(『アイアンマン』は大人の映…

『キャプテン・マーベル』は能力社会をチキンレースから解放する処方箋だ

『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開間近とあって、『キャプテン・マーベル』を観に行った。 「キャプテン・マーベル」日本版本予告

『蜜のあわれ』と老いと性

はるか昔、中高生時分に室生犀星の小説が好きだったこともあり、実写化に興味を持ちつつも、文学作品の映画化なんてどうせ失敗するんだろうなと冷ややかな気持ちがあって、ほんとは石井岳龍監督作ということでちょっとだけ怖いものみたさはあったけど、本作…

240年目の古事記伝だより リブートしました

書き続けてきた『240年目の古事記伝だより』ですが、240年目では完成しないことが確実となったため、以下の別Blogでリブートすることに致しました。 chrysanth.hatenablog.com 読者層に、大学生(院生)やプロの方も増えてきましたので、できるだけ論拠を明…

『イングロリアス・バスターズ』に見るタランティーノ作品のAI性

これまでタランティーノ作品は趣味ではなかった。『キル・ビル』とか『デス・プルーフ』とか。過剰なんだけど寸止め感がある、やり過ぎてるはずなのに、ちっともやってくれてない感じがして、見終わったあとにフラストレーションが残ってばかりいた。 だから…

『人生スイッチ』は良質なプロレス興行のような傑作オムニバス

まったく期待していないで見た映画が、ことのほか良作だったときには、とても得した気分になるものである。この映画も、そんな素敵な出会いをした映画のひとつ。出会いの場は、amazonプライム。これは掘り出し物でした。 唯一欠点があるとしたら、邦題。「人…

「英文解釈」を使わないでどんな英文でも読めてしまう裏技の記事を更新しました

以前に、「英文解釈」を使わないで英文を読む方法を開陳したんだけど、なぜか元記事へのリンクが切れていたのでリンクを張り直しました。ついでに「コツ」を加え、字の装飾して読みやすくしましたので回りに英文を読む必要はあるけれど英文解釈なんて今さら…

アナ雪が見たトランプのアメリカ

米国の中間選挙が終わって、事前に伝えられていた多くの予測どおりほぼトランプ大統領が信任された結果となったわけですが、そもそもトランプ氏が大統領選に立候補した2016年に先立つこと2年前に公開された『アナ雪』で、これからアメリカは自国しか考えな…

『海よりもまだ深く』と是枝監督と橋口亮輔監督作品

もう先週のことになるが、樹木希林さんの訃報を受けてすぐに、本作を見た。『万引き家族』は劇場で見る予定だったけど、時間が取れないでいるうちに上映期間が終わってしまっていたしね。 映画『海よりもまだ深く』予告編 見終わった感想は、是枝節全開だな…

『カメラを止めるな!』は事前情報を極力排して観るべき

春にシネマトゥデイの記事でを知り、上映を楽しみにしていたのに、ずるずると鑑賞のタイミングを逃してしまった『カメラを止めるな!』を観てきました。 www.cinematoday.jp その間、どんどん評判が高まっていたのは知っていたので、公開期間も延びるだろう…

『ゴーストバスターズ(2016)』に見るリブートの呪い

1984年版オリジナルを女性メインにリメイクしたところ、予告編が公開されるや批難が殺到しYoutubeの悪評記録を更新、主演女優へのヘイトが相次ぐなど、本国アメリカでは炎上案件になってしまった本作、公開当時に見逃してしまっていて、今頃Netflixで鑑賞し…

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』はポップコーンムービーの良作

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』は公開当時映画館で観たのですが、最近Amazonでも配信が始まったので今頃レビューです。ネタバレ厳禁も納得のオチがすべての作品でしたので、以下もネタバレなしの感想です。 「アベンジャーズ/インフィニティ・…

『機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛』は、富野氏による神殺しか

もう10年以上前にシネスケに書いた映画評に、ありがたいことに最近お気に入り投票*1が入りました。 Amazonプライムユーザーなら映画版もTV版も無料で見られるみたいなので、新たに脚注を付けてお蔵出ししてみます。 劇場公開前に予習としてファースト信者の…

「英文解釈」を使わないでどんな英文でも読めてしまう裏技

バス待ち時間にはてぶをつらつら眺めていると「英文解釈」云々なる記事が目に入った。そういえば、先日も高校生の息子が「英文解釈」がわかんないと言ってくるから、ならやんなきゃいいじゃんと返したら、「英文解釈」しないと英語が読めないというから、そ…

知らないあいだにトップ映画ブロガー254位になっていた

拙Blogの映画評はあんまり読まれていないけど、AIには読まれていたようですね。;-) こういう独創的な試みをする人は個人的に応援したい。 今のところシネスケの長文批評だけ持ってきてるんだけど、枯れ木も山の賑わい的応援として、折を見て寸評も持ってくる…

240年目の古事記伝だより 「シン・ゴジラ」と大国主命

Amazonプライムで8/1から『シン・ゴジラ』のプライム会員無料配信が始まりました。『シン・ゴジラ』については、以前に感想を書いています。これを機会にこちらの拙稿も読んでいただけたら幸甚です。下の枠内の黒の太字の記事タイトルをクリックすると映画感…