日本は成功しすぎたEUである(映画と思想のつれづれ)

明治の国会には藩の数ほどの通訳が当初いたそうです。律令制の昔から明治までの日本は連合国家みたいなもんだったんだなあ。

映画

『イングロリアス・バスターズ』に見るタランティーノ作品のAI性

これまでタランティーノ作品は趣味ではなかった。『キル・ビル』とか『デス・プルーフ』とか。過剰なんだけど寸止め感がある、やり過ぎてるはずなのに、ちっともやってくれてない感じがして、見終わったあとにフラストレーションが残ってばかりいた。 だから…

『人生スイッチ』は良質なプロレス興行のような傑作オムニバス

まったく期待していないで見た映画が、ことのほか良作だったときには、とても得した気分になるものである。この映画も、そんな素敵な出会いをした映画のひとつ。出会いの場は、amazonプライム。これは掘り出し物でした。 唯一欠点があるとしたら、邦題。「人…

アナ雪が見たトランプのアメリカ

米国の中間選挙が終わって、事前に伝えられていた多くの予測どおりほぼトランプ大統領が信任された結果となったわけですが、そもそもトランプ氏が大統領選に立候補した2016年に先立つこと2年前に公開された『アナ雪』で、これからアメリカは自国しか考えな…

『海よりもまだ深く』と是枝監督と橋口亮輔監督作品

もう先週のことになるが、樹木希林さんの訃報を受けてすぐに、本作を見た。『万引き家族』は劇場で見る予定だったけど、時間が取れないでいるうちに上映期間が終わってしまっていたしね。 映画『海よりもまだ深く』予告編 見終わった感想は、是枝節全開だな…

『カメラを止めるな!』は事前情報を極力排して観るべき

春にシネマトゥデイの記事でを知り、上映を楽しみにしていたのに、ずるずると鑑賞のタイミングを逃してしまった『カメラを止めるな!』を観てきました。 www.cinematoday.jp その間、どんどん評判が高まっていたのは知っていたので、公開期間も延びるだろう…

『ゴーストバスターズ(2016)』に見るリブートの呪い

1984年版オリジナルを女性メインにリメイクしたところ、予告編が公開されるや批難が殺到しYoutubeの悪評記録を更新、主演女優へのヘイトが相次ぐなど、本国アメリカでは炎上案件になってしまった本作、公開当時に見逃してしまっていて、今頃Netflixで鑑賞し…

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』はポップコーンムービーの良作

『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』は公開当時映画館で観たのですが、最近Amazonでも配信が始まったので今頃レビューです。ネタバレ厳禁も納得のオチがすべての作品でしたので、以下もネタバレなしの感想です。 「アベンジャーズ/インフィニティ・…

『機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛』は、富野氏による神殺しか

もう10年以上前にシネスケに書いた映画評に、ありがたいことに最近お気に入り投票*1が入りました。 Amazonプライムユーザーなら映画版もTV版も無料で見られるみたいなので、新たに脚注を付けてお蔵出ししてみます。 劇場公開前に予習としてファースト信者の…

『ゴースト・イン・ザ・シェル』に見るアイデンティティクライシスの日米差

★★★ 士郎正宗の原作漫画『攻殻機動隊』(以下、士郎攻殻と略す)ではなく、押井守監督の映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(以下、押井攻殻と略す)の実写化である本作品は、主人公たる少佐の苦悩を押井攻殻とは別のものに変えてきた。その苦悩は、同時…

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』はザッカーバーグの秘密でもある

★★★★ 52歳から世界企業を起業した男(=マクドナルド創業者)の物語を知りたいなと思っていたところにAmazonプライムで本作を見つけました。見る前には予想だにしなかったとても面白いことに気づいてしまったので、ちょっと書いておこうと思います。それはマ…

アンチ・ディズニーランド派は『エスケイプ・フロム・トゥモロー』で溜飲を下げるか

ディズニーが自前の配信サービスをはじめるために、netflixからディズニー作品を引き上げるのだという(ディズニーは「自分のNetflix」をつくる。ほかのスタジオもそれに続くかもしれない|WIRED.jp)。 ということで、netflixからディズニー作品がどんどん…

『ブレードランナー2049』の限界と矛盾

★★★ 『ブレードランナー2049』は『ブレードランナー』の続編として完璧だった。ストーリー以外は。(以下ネタバレあり) 映画『ブレードランナー2049』日本版予告編

『ワンダーウーマン』に国際プロレス軍団の哀しみを見た

非常に前評判の高かったワンダーウーマンを見に行きました。ワンダーウーマンは、スーパーマンやバットマンと同じDCコミックスのヒロインです。 映画『ワンダーウーマン』本予告【HD】2017年8月25日(金)公開

テイストがアメリカン・ニューシネマだった『LOGAN ローガン』

★★★ テイストがアメリカン・ニューシネマな感じで驚いた。今のアメリカはベトナム戦争敗北時と似た精神状況に置かれているのだろうか。 映画「LOGAN/ローガン」インターナショナル版予告(字幕版)

『君の名は。』は思想したか

★★ ボーイ・ミーツ・ガールものとしては楽しい。だが、エヴァやマトリックスがキリスト教をギミックとして使いこなしたように神社の設定を活かせていたら、もっと傑作になったのにとの思いも残る。(以下ネタバレあり) 「君の名は。」予告

『シン・ゴジラ』と石原さとみの英語のリアルと大国主(オオクニヌシ)と

★★★★ 偶然にも『シン・ゴジラ』公開前の過日、とある歴史ある神社の巫女さんと会話する機会があり、あの偉大なるゴジラのテーマの作曲者である伊福部昭氏は、代々神主の家系であり、先祖をたどると大己貴命(オオナムチノミコト)に行きあたることを知りまし…

『デッドプール』は、意外やウディアレンのテイスト!?

デッドプールを見に行った。 近年のアメコミ映画の中では世界観がこじんまりしていて大言壮語な感じが無く、コメディタッチでラブロマンスな作風は、バイオレンスとアクションを大盛りにトッピングしたウディアレン作品のよう。大人のための童話として成功し…

『エクス・マキナ』と日の丸

★★ 2014年の冬にオンラインマガジンのwiredの記事(『Ex Machina』:美しく強力なアンドロイドとの三角関係を描く映画(予告動画あり)|WIRED.jp)でこの映画を知って、以来日本での公開を待ちわびて、ようやく先日劇場鑑賞してきました。 その間、欧米での…

『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』は、ジェイソンボーンになった

キャプテンアメリカの第二作を見た。 一作目のコンバット調から舞台を現代に移してまさかのスパイアクション調。この転調は見事だ。 映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』予告編

『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』で矢作俊彦氏が見過ごしたこと

キャプテンアメリカの第1作を見直した。 映画『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』予告編

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』は、理想の「少年ジャンプ活劇」だった

トランプだヒラリーだサンダースだと米大統領予備選に盛り上がる2016年の今のタイミングにシビルウォー。これは見なくっちゃと映画館に足を運びました。 だがしかしBUT、過度に時代性を期待すると肩すかし。同時期の『バットマンvsスーパーマン』とも似て非…

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が浮き彫りにしたもの

★★ 激賞する友人に触発され、さあ乗るぞと勇んで鑑賞したもののイマイチ乗れなかった理由は、この映画が、行って途中で思い直して折り返すというめずらしい構造を持ったロードムービーだったからかもしれないなと。(以下ネタバレあり) 映画『マッドマックス…

『百円の恋』は映画的というより演劇的か

『百円の恋』を見に行った。凄く凄く見たくてようやく映画館にたどりついた感じ。 ボクサー役の役作りできっちり絞った肉体に仕上げ、それをボクサーになる前の弛緩した身体作りのためにクランクイン前に10kg以上増量し、撮影の10日間で10キロ以上減量して試…

『X-men フューチャー&パスト』(2014/米)見てきました。

会社帰りに鑑賞。ブライアン・シンガー以外のX-menになじめなかったので素直に嬉しい。 X-Men: フューチャー&パスト (字幕版) シリーズ第一作と第二作の監督であったブライアン・シンガーが、ウルヴァリンシリーズを含むと7作目の本作で監督に復帰したわ…

『アナと雪の女王』が示すアメリカの現在と未来

昨日家族で『アナと雪の女王』を見に行ったのでその感想を書いてみようと思います。 アナと雪の女王 - 予告編 以下ネタバレ含みます。 実は先に見に行った友人の話しを聞いて、勝手に抑圧と解放の物語だと思っていました。松たか子の歌はいいけれど、日本語…

『アナと雪の女王』主題歌"Let It Go"を日本語に訳してみた

『アナと雪の女王』の評判が凄いです。中森明夫氏のコラム(「中央公論」掲載拒否! 中森明夫の『アナと雪の女王』独自解釈 – REAL-JAPAN.ORG)を読んだら私も見に行きたくなってしまいました。Disney's Frozen "Let It Go" Sequence Performed by Idina Men…

『偉大なる、しゅららぼん』と京都と福井

★★★★ 全く期待せずに見たら期待に反してひどく面白かった。もっと多くの人に見られてよい作品だと思う。ただ、惜しい原作の設定からの改変がありました。(以下ネタバレあり) 『偉大なる、しゅららぼん』予告編

『風立ちぬ』は挑発する

泣いた。なので、自分は感動したのだろうと思うが、何に感動したのか非常に感想に書きづらい。愛だの時代だのの陳腐な切り口の先にあるものを「風」以上の言葉で書き連ねることが難しい。「泣いたから感動」では馬鹿だよな、俺。 www.ghibli.jp 作者の物を作…

『ローマでアモーレ』に笑った笑ったでも泣けたよ

死を意識したウディアレンが葬儀屋と歌い上げる凡人の幸せと愛と人生。 以下ネタバレあり。 映画『ローマでアモーレ』予告編 キリストじゃない凡人は復活しないんだよね。前衛的なオペラの演出に人生を懸けてきたウディアレン扮するジェリーにとって引退は死…

『アイアンマン3』は、恋するフォーチュンクッキーだった

恋するフォーチュンクッキー。(←このネタ誰かが書くかと思ったのですが、ベタ過ぎたのか誰も書いていないようなので書きます。) マーベル『アイアンマン3』予告編